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年金積立金は政府の“財布”か 会社員はもっと怒るべき

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Yuki Tanaka
政治 - 16 6月 2026

本来、年金積立金は保険料を納めた会社員の財産である。しかし会社員は保険料軽減には熱心でも積立金の行方に関心が薄く、政府の目には「使っても分かるまい」と映っているのかもしれない。

最初にそう思ったのは、厚生労働省が先の年金法改正で「厚生年金と国民年金の積立金の共有」を提案したときだ。国民年金財政で生じる赤字を、厚生年金の積立金で埋めて救済するシナリオである。

だが、厚生年金と国民年金では加入する人が異なる。平等に所得を把握できないので保険料の計算方法が違い、企業負担の有無も違う。財布の共有は禁じ手だ。

年金などの保険制度は本来、保険料の納付(負担)に応じて給付を得られる仕組みだ。いずれ自分に還ってくるものだから負担を受け入れ、給付を充実してこられた。税で賄う福祉とは本質的に異なり、ここが揺らげば給付は貧しくなっていく。

積立金の共有案は、与党内ですったもんだの末、いったん法案から削除されたが、当時の立憲民主党が復活させた。次の制度改正で実現するための種火を付則に仕込み、法は成立した。

財布代わりか?と思った件は他にもある。今年10月から週20時間以上働く短時間労働者には原則、厚生年金が適用される。新たに適用される人の保険料は3年間最大50%割引され、年金は減額されない。割引分は事業主が払うとの説明だが、「いよっ、太っ腹」ということではない。実は厚生年金の積立金で肩代わりする。いったい、どういう理屈なのか。

いずれも積立金の使途としてはかなり変だが、世の中の反応は鈍い。制度が複雑でよく分からず、厚労省も都合の悪いことは説明しないからだ。

そういうことを重ねているから感覚が麻痺する。先の衆院選では一部の野党が、年金積立金(約280兆円)をはじめとする政府の資産や運用益、売却益を活用して「税・社会保障の年収の壁対策」に充てると公約した。

だが、年金の積立金も運用益も政府の資産ではない。加入者の資産であり、将来の年金原資だ。

年金の水準は今後、積立金を使っても今より少なくとも4%弱下がる見通しだ。たまたま最近の運用成績が良いからと目的外使用をする余裕はない。百歩譲って運用が好調なら、将来世代の年金水準を上げるのが筋ではないか。

年金積立金の目的外使用には苦い過去がある。好景気にわいた昭和の時代、政府は保養施設「グリーンピア」の建設と運営に積立金をつぎ込んだ。ほどなく赤字続きになり、結局二束三文でたたき売ったのだ。

年金積立金などの資産を財源として使う案は、昨秋の国会でも議論になった。高市早苗首相は見解を問われ、「すごく明るい気分になった。夢が持てた」とし、恒久財源があれば食料品の消費税をずっとゼロにしたいと答弁した。

まさか、これが超党派で社会保障国民会議を立ち上げた狙いではないと思うが、年金積立金は政府の財布ではないので皮算用はやめてほしい。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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